いつの時代も思い込みによる閉塞感が、人を不安にしていきます。新しい時代に合わない古い風習や習慣で、人の心(感じ方・考え方)がしぼんでいかないように常に新鮮な情報を発信して、次世代に開放感を与えてくれるアートがどの時代も求められ続けてきたのです。
『富嶽三十六景-神奈川沖浪』 葛飾北斎
あたりまえのことですが、地球上のものは地球に存在する物質の組合せでできています。炭とダイヤモンドの違いは、その物質ができる条件による違いです。
歴史に残る芸術家や偉人、天才にしても他の凡人たちと同じ社会、似たような環境の中で、誰もが経験しえるいくつかのできごとが組み合わされて造り出されたといえます。
どんな発想も発明もそれまでとは異なる新鮮な条件がそろった時に生まれてきました。これらは偶然の出来事のように思えますが、その特殊な条件がそろう状況に成るべくして成った必然とも考えられます。また、“寄り道・まわり道”をすることで、画期的な発想や発見に至ることがあります。無関係だと考えていたモノゴトとの共通点や接点を知ることで、理解が深まって視野も広がっていきます。
そんな”気づき“が最も高貴な喜びだとルネサンス期の芸術家でもあり多岐にわたる分野の研究者でもあるレオナルド・ダ・ヴィンチも話しています。
レオナルド・ダ・ヴィンチ自画像
『何か才能や技術がないと』
創作、表現をすることが出来ないと勘違いをしている方がたくさんいる。
絵にしても小説にしても遊びにしても大切なのは突き動かす衝動であり、
その衝動を誰かに伝えたいという欲求があること。
『ひまわり』1888年8月 アルル フィンセント・ファン・ゴッホ
『手紙もそうだが』
描く絵にはその人の気持ちが表れる。
誰かのために絵を描くことは、思いを伝えるために意外なほど効果がある。
本人が気にするほど上手さ(技巧)はそれほど問題ではなく、
言葉で説明するよりも親切に感じる。
自分のために手描きの絵を描いてもらったら想像以上に嬉しいもの。
『シャルパンティエ夫人とその子どもたち』1878年
ピエール=オーギュスト・ルノワール
『絵や音楽、言葉を使う最大の目的は』
人の心に開放感をあたえること
思い込みに縛られないように新鮮な情報を伝え続ける
お互いを理解して、
自分らしく生きるためには
絵や音楽、言葉の文化交流が必要。
『文化に触れることは簡単』
競争で勝ち抜くことが文化ではない。
特別な優遇もなく、お金を使わなくても
らしいこと、好きなこと、楽しいこと、大切と思えることで
日々、暮らしていけることが、どれだけ幸せなことかを気づくために文化がある。
『創造性が必要』
日々、暮らしていけることが、
どれだけ幸せなことかを気づくために創造力がある。
創造性はアートの世界だけではなく、 繰り返される実生活の中でこそ効用を発揮する。
自分の視座・視野・視点が変わることで世界の見え方が変わる。
アートに触れることで、日常を非日常に変えるのではなく、
当たり前のこととして見過ごしている”日常の奇跡”に気づいて、
視座が変わり視野が広がって視点が多角化して、
結果的に今までの日常が変わる。
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