人生の道は、人それぞれに異なる。
そこには一つの「正解」もなければ、他人と比較する必要もない。たった一歩でも、前進することこそが重要だ。
「今日はこれができたから、それでいい」 「明日はこれだけやればいい」。
日々、小さな達成を積み重ねることで、いつしか自分自身の歩む道が築かれる。その道は、芸術と同じように、何度も塗り替えられ、拡張されていくものだ。
『モナ・リザ』を描いたレオナルド・ダ・ヴィンチがその手を動かし、考えに没頭しながらも、数多くの作品を未完成のままに残したように、私たちも「完璧」を追い求める必要はない。大切なのは、日々の一歩、創造の一つひとつである。

『モナ・リザ』1503 - 1505 1507年 レオナルド・ダ・ヴィンチ
アートの本質は、ただ美術館に飾られた名作や、教科書に載っている作品に留まらない。ターシャ・テューダーが庭を創り、その自然と共に生きたように、私たちの周りに溢れる何気ない瞬間や物事が、アートの一部となりうる。

ターシャ・テューダーの庭
アートは古代から現代に至るまで、人間の想像力と共に進化し続けてきた。

クフ王が建設したギザの大ピラミッド
エジプトのピラミッドに副葬品として納められた品々、ギリシャの彫刻、そして4万年前の洞窟壁画まで――すべてがその時代の人々の生活や思い、信仰や願望の表れだった。アートとは、心の中に芽生えた感情や思索を、形にして外に表現する行為だ。

ギリシャ彫刻
それが絵であれ、音楽であれ、言葉であれ、アートは私たちに「何か」を伝え、感動させる力を持っている。
では、私たちはなぜアートを生み出すのか?それは、日常を超えた何かを探し求め、私たち自身を理解しようとする旅路に他ならない。
若きアレキサンドロスがアリストテレスから学び、その知識を元に征服の旅を続けたように、アートは私たちに新たな世界を見せてくれる。

アリストテレスとアレキサンドロス
人が一つのことに心を傾け、手を動かし続けることで、心の成長が加速する。

『静物』1879-82年 ポール・セザンヌ
セザンヌが言ったように、「私は毎日進歩しつつある」ことに気づく瞬間、それは人生の中で最も喜びに満ちた瞬間だ。
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